奈良と京都は、いずれも日本を代表する古都として知られ、天平文化や国風文化の建築物や美術品などが数多く残されているため、学生の修学旅行先をはじめ、国内外から多くの観光客が訪れています。
多くの国宝や重要文化財を所有し、世界遺産の指定も受ける奈良と京都は、歴史的な背景の違いから残された文化の違いがあります。
奈良には古代国家から律令国家の体制が確立された奈良時代の都である平城京が置かれ、京都の長岡京を経て、平安時代の都となる平安京に遷都されています。
観光で訪れることが多い奈良や京都に残される多くの文化財の奈良時代との背景やオススメの観光地を紹介します。
奈良時代を感じられる奈良と京都の観光には?
修学旅行でもお馴染みの奈良の観光スポットには、定番の「東大寺」や「法隆寺」をはじめとして、数多くの仏像めぐり、お水取りで知られる「東大寺二月堂」など数多くあげられます。
もちろん、奈良時代の都としておかれた「平城京跡」は、現在では緑地公園として整備され、世界遺産にも登録された観光名所となっていて、天皇や貴族が暮らしていた奈良時代に思いを巡らせる最適な歴史空間となっています。
京都にも奈良時代の終わりに平安京への遷都を準備したといわれる長岡京跡をはじめ、奈良時代に建立された伏見稲荷大社、地蔵院、曼殊院、海住山寺、鞍馬寺、清水寺、神護寺、三千院などがあります。
地理的にも近い奈良と京都に残された奈良時代と平安時代の時代の違いが感じられる多くの観光スポットが、奈良と京都のそれぞれに点在しています。
奈良時代に都があった奈良と平安時代の都となった京都の違い
古墳時代から飛鳥時代と続いた古代国家から、中国の唐を模範とした律令制の国家体制が確立された奈良時代の都が置かれた奈良には、天平文化で生み出された建築物や仏像などが数多く残されています。
聖武天皇によって作られた東大寺の大仏像など、当時の鎮護国家思想を背景に、唐の影響を受けた仏教美術の数々が点在していますが、平安時代以降に制作された仏像や庭園などは少なく、京都に残された文化とは異なります。
京都は、奈良時代の終盤に長岡京がつくられ、平安京への遷都の準備がなされたため関わりは深いものの、残された寺社や仏像、庭園などは、奈良時代よりも技術的にも優れた華やかなものが多くあります。
奈良時代と平安時代の時代背景をある程度知ったうえで、奈良と京都を観光してみると、それぞれに残された違いが感じられます。
奈良と京都の観光地の違いは、時代背景の違い?
日本が飛鳥時代から奈良時代にかけて確立した律令制と鎮護国家が感じられる建築物や多くの仏像が残された奈良には、多くの観光スポットが点在しています。
奈良時代の後を受けて遷都された京都にも、奈良時代の聖武天皇が行なった国分寺や国分尼寺に関わる寺社や長岡京などの関わりと共に、国風文化で生まれた特徴的な建築物や仏像がみられます。
奈良と京都の両方を観光すると、奈良時代と平安時代の時代背景の違いが感じられます。