奈良時代の美術の特徴

奈良時代の美術の特徴には、唐と仏教の影響が大きく、遣唐使が持ち込んだ美術品が日本の仏教美術に直接影響を与えています。

特に、奈良時代の美術がもっとも栄えた聖武天皇の時代には、鎮護国家思想を背景に仏教が保護され、寺院や仏像が建立され、経典の書写なども国家事業として行われています。

聖武天皇が正倉院に残した奈良時代の宝物には、日本製の美術品と共に唐から持ち込まれた品物が数多く所蔵されています。

奈良時代の聖武天皇の時代に栄えた天平文化の美術の特徴などを紹介します。

奈良時代に栄えた天平文化の美術の特徴

奈良時代の日本は、唐の文化を積極的に取り入れるために遣唐使を派遣し取り入れ、平城京を中心に仏教に関する美術品が多く作られています。

聖武天皇の時代に栄えた天平文化には、遣唐使が持ち込んだ「唐文化」によって「貴族的」とか「国際的」な特徴があり、仏教の影響も強く受けています。

特に、聖武天皇は、仏教によって国を安定させるという「鎮護国家思想」が強かったために、仏教に関連した寺院や大仏が建立された特徴も有しています。

また、仏教の保護と僧侶に対する統制のために、聖武天皇が作らせた各地に点在する国分寺と国分尼寺、総本山の東大寺には当時の建築美術の特徴が凝縮されています。

奈良時代に栄えた天平文化の美術作品には?

奈良時代に作られた仏教美術の作品には、東大寺戒壇院四天王像や東大寺法華堂日光、月光菩薩像、興福寺八部衆像、東大寺法華堂不空羂索観音像などがあります。

天平文化で作られた仏像彫刻は、木の芯に粘土を塗り固めた塑像や、麻布を漆で塗り固めて作られた乾漆像が多く、それまでの金銅製や木製よりも動きのある、細かな表現の仏像が作られています。

天平文化の仏教美術の製作には、大規模な官営工房があり、建築、彫刻、絵画、写経、工芸品などの分野ごとに、大量の技術者が製作にあたっていて、聖武天皇の鎮護国家思想に基づいた保護の特徴がみられます。

奈良時代の美術の特徴

奈良時代の美術には、唐の文化の影響と聖武天皇が鎮護国家思想による仏教の保護と統制の影響がみられ、「唐の華やかさ」や「国際的」な特徴があります。

天平文化が花開いた仏教美術の製作には、聖武天皇が大勢の技術者を集めた官営工房が担っています。

唐の文化に多大な影響を受けた奈良時代の文化にも、仏教美術以外の「万葉集」などの文学では、唐から持ち込まれた漢字を利用した日本独自の「万葉仮名」の表記も生まれ、一部の貴族だけの美術や芸術が、庶民への広がりのキッカケも作っています。

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