いつの時代も、政治や経済、文化などのいろいろな面で、多くの人がそれぞれの思いで刻んだ史実があります。
とはいえ、名もなき英雄たちの存在を意識しながらも、各分野で活躍した先駆者として名前を刻んだ主な人物は限定されます。
そんな日本で律令制が整えられた奈良時代には、平城京に都が移され、国家運営のための政治や税制の仕組みが構築され、文化的な面でも独自の発展を遂げています。
ここでは、奈良時代に記録された主な出来事に関わった主な人物についてご紹介します。
奈良時代の政治や経済に関わった主な人物とは?
奈良時代は、元明天皇によって藤原京から平城京へと遷都された710年に始まり、その後の聖武天皇によって、恭仁京、難波宮、紫香楽宮、平城京へと遷都されています。
当時の中国、唐などの統治体制をアレンジしながら、律令体制を構築した奈良時代は不安定で、藤原不比等、大納言長屋王が政界の中心に立っています。
藤原不比等は、「日本書紀」や「続日本記」にも登場する人物で、大宝律令や平城京遷都などに活躍した主な人物の一人です。
そして、国の運営に欠かせない税収の安定と庶民の管理のための「墾田永年私財法」は、聖武天皇の治世において発布されています。
また、大海人皇子は、日本古代史最大の戦乱といわれる壬申の乱で大友皇子を破り、飛鳥浄御原宮で即位し天武天皇となり、八色の姓の制定や国史の編纂などにより律令制を整備しています。
そして、天武天皇の死後、大化の改新を実行した中大兄皇子の娘が持統天皇となり、藤原京の造営と遷都に尽力しています。
奈良時代の文化的な面で活躍した主な人物は?
奈良時代は天皇が代わるたびに遷都を繰り返したのには、律令制による統治の不安定さに加え、地震などの自然災害、そして疫病の蔓延なども影響しています。
そんな疫病の蔓延から人々の苦しみを和らげようとした「行基」は、聖武天皇の帰依を受け、東大寺の大仏建立に奔走したことで知られています。
また、「行基」は、仏教文化の多大な影響を受けていた奈良時代において、日本最初の大僧正の位を授けられた人物です。
そして、日本最古の歴史書といわれる「古事記」を編纂した太安麻呂は、古代の日本の姿を正確に残した主な人物の一人です。
奈良時代に活躍した主な人物たち
律令制による国家体制が確立された奈良時代は、元明天皇によって藤原京から平城京へ移されて始まり、政治や治世、そして仏教をはじめとした文化の多方面で、多くの人が活躍しています。
なかでも、藤原不比等や聖武天皇、持統天皇、行基、太安麻呂といった人たちは、奈良時代に大きな変化をもたらした主な人物として列挙できます。
100年にも満たない奈良時代には、多くの有力車の権力闘争と大陸や半島から伝わった文化が、急激な変化をもたらした時代ともいえそうです。