奈良時代の乱で使用された武器は?

日本の歴史において鎌倉時代に武士が誕生して以降、江戸時代に至るまで、日本各地で合戦が繰り返され、武士が誕生する前の時代にも、人と人の争いは絶えず何処かしらで起きていて、その時代ごとの技術水準に応じた武器が使用されています。

人類が利用できる道具を、石器から土器、銅器、鉄器へと移り変わるうちに、戦いに使用できる武器も石斧や石のやりなどから刀剣や弓矢などが登場してきます。

武士が誕生する以前の、奈良時代を迎える前の日本で初めて起きた合戦といわれる壬申の乱で使用された武器などを紹介します。

奈良時代の武器が推測される「武蔵寺縁起絵巻」

奈良時代を迎える少し前に、大友皇子に対し大海人皇子が兵を挙げた壬申の乱を描いた「武蔵寺縁起絵巻」には、瀬田の合戦が描かれていますが、平安時代以降の雰囲気がみられます。

現在ほど古代史の研究が進んでいなかったため、奈良時代の人物のほとんどが平安時代の装束で描かれているのは仕方ないとはいえ、当時の武器を知るには十分な資料です。

絵図などから、合戦に参加している軍人たちは、小さな鉄板を紐でつづり合わせた挂甲や胴丸に似た短甲を着用し、頭には鉄製の兜をかぶり、腰には太刀を下げています。

このような装備をつけた兵士は、上級軍人の装備と考えられ、動員された多くの兵士は農民兵で、装備はヤリのような桙が支給された程度です。

奈良時代までの合戦での主要な武器

織田信長が種子島に伝えられた鉄砲を合戦の場に使用する前までの主要な武器は、飛鳥時代や奈良時代では大差ないものと考えられます。

合戦の主要な武器には、古くは縄文時代の狩猟にも使われていた「弓」があげられ、遠くに飛ばせるように2メートル前後の長弓が使われています。

また、「槍」が登場する前の奈良時代には、「鉾」が刺突と斬る両方できる武器として使われ、これを防ぐ武器に「盾」もありました。

奈良時代の兵士がもつ刀には、反りのない直刀が多く使用され、他の時代にはない特徴的な武器となっています。

奈良時代の合戦に使われた武器

奈良時代に起きた合戦は、その後の武士の戦いの様相を呈した刀や弓、鉾などの武器が使われています。

古代の戦場での武器に使用されるものの多くは、狩猟生活に使用されていた弓矢、斧、ヤリなどが応用されていて、戦いに特化して進化し始めるのは、平安時代以降といえます。

人の争いが続いている限り、武器の開発がなくなることはなく、現在でも軍事武器の開発が続いています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする